2026-10-08|lullaby株式会社 代表取締役 坂口 大晟

WordPressを使う企業は約33万社
——Web制作会社が営業ターゲットを絞る方法

WordPressを使う企業は約33万社

Web制作会社・保守運用会社の営業で、まず出てくる条件が「WordPressで自社サイトを運営している企業」です。では、その母集団はどれくらいの大きさなのか。当社の自社企業データベース(国内500万社以上を網羅。うちホームページ等で活動が確認できる企業を集計)の集計では、ホームページでWordPressを利用している企業は約33万社ありました。結論から言うと、この数字は「狙える市場が大きい」ことよりも、「WordPressという条件だけでは絞れていない」ことを示しています。この記事では、約33万社をどう「今、話を聞いてもらえる企業」まで絞るかを整理します。

WordPressを使う企業は、どれくらいあるのか

自社データベースの集計では、ホームページで確認できる利用ツール別の企業数は次のとおりです。単位は社、割合は集計対象企業に占めるおおよその比率です。

ホームページで確認できる利用ツール該当社数集計対象に占める割合
WordPressを利用約33万社約40%
SNSツールを利用約22万社約30%
Web分析ツールを利用約20万社約30%
MAツール(BowNow・HubSpot等)を利用約1万社1%程度
ホームページのリニューアル推奨約4千社1%未満
DX認定事業者約2千社1%未満

WordPressは集計対象のおよそ4割に当たり、利用ツールの中で最も裾野が広い条件です。一方で、リニューアルが必要と判定された企業は約4千社、DX認定事業者は約2千社と、「今動く理由」を示すシグナルは桁が2つ小さいことが分かります。これが、WordPressという属性だけで営業リストを作ると外れやすい理由です。

「WordPress利用」は属性であって、需要のシグナルではない

WordPressを使っていること自体は、「今、制作や保守の相談を受け付ける状態か」を教えてくれません。約33万社の多くは、すでに社内か既存の制作会社が運用していて、乗り換えや追加発注の必要がない企業です。属性と需要のシグナルは分けて考える必要があります。

種類例分かること
属性WordPress利用/業種/従業員規模/エリア提案が成立する土台があるか(自社の得意領域に合うか)
需要のシグナルリニューアル推奨/営業職・中途の新規募集/新規事業開発今、サイトに手を入れる理由がありそうか

この区別は、ICPの作り方でいう「ファーモグラフィックス」と「トリガー」の違いと同じです。WordPressは前者、リニューアル推奨や採用の動きは後者に当たります。属性で土台を決め、シグナルでタイミングを選ぶ、という順序で組みます。

約33万社を絞り込む3つの手順

Web制作会社・保守会社が、実務で約33万社を営業対象まで絞るときの手順です。

  1. 自社が勝てる規模とエリアを先に決める。自社データベースの集計では、企業の約半数が従業員20人未満です(詳しくは母集団の実像)。「月額保守まで受けたい」のか「リニューアルの単発案件が中心」なのかで、案件単価や対応工数が合う規模帯は変わるはずなので、自社の過去案件から決めてください。エリアは、訪問や打ち合わせが必要なら商圏内に限ります
  2. 需要のシグナルを1つ以上重ねる。自社データベースには、リニューアル推奨の企業が約4千社あります。これに、新たに営業職の募集を始めた企業(営業職を募集している企業の動き)や新規事業の開発企業を重ねると、「サイトに集客や信頼の役割を持たせたい理由がある企業」に寄せられます。シグナルは1つでは弱く、重なるほど優先度が上がります
  3. 届く手段を先に確認する。自社データベース全体では、代表電話が取れる企業は約50%、代表メールが取れる企業は約20%にとどまります(WordPress利用企業に限った数字ではなく、集計対象全体の比率です)。絞り込んだあとの件数だけでなく、その件数のうち電話・メール・フォームのどれで届くかを見ないと、リストが机上の空論になります

MA導入企業との比較で見る、狙いどころの違い

同じ利用ツールの条件でも、母集団の大きさと性質は大きく違います。MAツール導入企業は約1万社と少数で、マーケティングに投資している企業を狙う条件としては有効ですが、母集団は小さくなります。対してWordPressは広く、小規模企業まで含みます。

まず確認すべき3つの数字

リストを発注する前、または自分で作る前に、次の3つを数字で出してください。

  1. 自社の得意領域に合う規模・エリアで、WordPress利用企業は何社か(約33万社のうち、自社が受けられる範囲)
  2. そのうち、需要のシグナルを1つ以上持つ企業は何社か(これが「今月アプローチする対象」の目安)
  3. その件数のうち、電話・メール・フォームのどれで届くかの内訳

この3つが出れば、「何社に、どの順で、どのチャネルで当たるか」が決まります。逆に、総件数だけのリストは、約33万社というスケールの大きさに目が行き、誰にも刺さらないまま架電やメール送信が進みます。営業リストの質は、総数ではなく、この絞り込みと到達性で決まります。

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出典:自社データベース(企業マスタ2026年5月時点)を集計。調査会社による統計ではなく当社データベース上の実測値のため、日本の全企業に対する比率ではありません。利用ツールはホームページ上で確認できたものの集計で、実際の利用を保証するものではありません。連絡手段の比率は集計対象全体の値で、WordPress利用企業に限った値ではありません。