2026-09-29|lullaby株式会社 代表取締役 坂口 大晟

営業職を募集している企業は約4万社
——採用データで見る営業ターゲットの絞り方

「営業組織を強化したい企業」を狙いたいとき、最もシンプルなシグナルは「営業職を募集しているかどうか」です。採用予算を割いている以上、営業体制への投資意欲がある企業だと判断できます。人材紹介・営業支援ツール・営業代行など、営業組織そのものに商材を売る企業にとっては、業種や規模の絞り込みより先に確認すべき条件とも言えます。当社が保有する国内企業データベース(約75万社)を集計すると、この母集団の実像と、そのまま業種で絞り込むと商談獲得の機会を大きく取りこぼす落とし穴が見えてきました。

営業職を募集している企業は、日本に約4万社ある

当社データベースで中途採用を出している企業は約10万社。そのうち営業職を募集している企業は約4万社で、募集職種別に見ても最大のカテゴリです。

募集している職種該当社数
中途採用(全職種)約10万社
営業職約4万社
2027年新卒約3万社
エンジニア約2万社

営業職を募集している約4万社のうち、代表電話番号が取得できる企業は約6割です。代表電話が載っていない企業にも部署の直通番号でアプローチできる場合があり、代表電話の有無だけで対象から外すと母集団を狭めすぎることになります。

業種は分散している——「業種で絞る」だけでは効かない

結論から言うと、営業職を募集している企業の業種は特定の業界に集中していません。業種別の内訳を見ると、最大の「その他サービス」業でも全体の約10%にとどまり、上位15業種を合計しても全体の約6割にしかなりません。残りの約4割は、製造・建設・不動産・情報通信・人材など幅広い業種に薄く分散しています。

業種(上位5)営業職を募集している社数
その他サービス約3千社
ソフトウェア・SI約2千社
機械器具約2千社
総合(建設・建築)約2千社
不動産売買約2千社

サービス業・ソフトウェア・機械・建設・不動産と、上位に来る業種同士に共通する事業内容はありません。「この業界なら営業を強化しているはずだ」という業界特化の仮説だけでは、この母集団のごく一部にしか当てられない計算になります。

「営業を強化している企業」を業種軸だけで絞り込むと、母集団の半分近くを最初から視野の外に置くことになります。業種は一次的な絞り込みには使えても、それ単体でICPを完成させる軸にはなりません。

ICP(理想顧客プロファイル)の作り方で解説した通り、公開情報から取れる条件は複数を組み合わせて初めて機能します。業種で終わらせず、後述する規模・タイミング・到達性を重ねることが、この母集団を有効な営業ターゲットに変える鍵になります。

規模で見ると、主戦力は中小企業——エンタープライズ前提が外す層

営業職を募集している企業を従業員規模で見ると、約8割が従業員300人未満の中小・中堅企業です。

従業員規模営業職を募集している社数
20人未満約7千社
20〜300人未満約2万社
300〜1000人未満約4千社
1000人以上約2千社

「営業を強化する=大企業がやること」という前提で名の知れた企業だけを追うと、この母集団の大半を取りこぼします。営業リストの自動作成で母集団を作る際は、従業員規模の上限を無意識に高く設定していないか、一度見直す価値があります。

採用データを商談獲得に使う3つの視点

この母集団を実際のアプローチに落とし込むには、業種・規模に加えて次の3つを組み合わせます。

  1. タイミングで優先度を上げる——直近2ヶ月で新たに営業職の募集を始めた企業は約1千社(うち代表電話が取れるのは数百社)。継続募集中の約4万社より、募集を始めたばかりの企業の方が投資判断が直近に動いており、意思決定者への提案が刺さりやすいタイミングです。
  2. 到達性で絞る——代表電話がない企業でも、営業部・人事部の直通番号が取れる場合があります。到達手段が無い企業をリストに残したまま架電計画を立てると、実際の稼働率を過大に見積もることになります。
  3. 規模で母集団を広げる——300人未満の中小企業を主戦力として組み込むと、大企業だけを追う場合より母集団が大きく広がります。

この「求人数の増加」というシグナル自体は、営業組織側でも自動検知の対象にできます。COMPASS AIの営業シグナル検知機能は、ターゲット企業の求人動向を定期的にモニタリングし、募集を始めたタイミングでアプローチの優先度を自動で引き上げる仕組みを持っています。人が毎回採用サイトを確認しなくても、タイミングの良い企業から順に対話へつなげられます。

業種で絞り込んだ時点で対象外にしていた企業の中に、規模・タイミング・到達性を重ねれば本来アプローチできたはずの企業が含まれている——これが約4万社という母集団を扱う上での一番の見落としです。条件を1軸ではなく複数軸で重ねる設計に変えるだけで、同じ架電・送信の工数でも当てられる対象が広がります。

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出典:当社保有の国内企業データベース(約75万社・企業マスタ2026年5月時点/部署マスタ2026年3月時点)を集計。調査会社による統計ではなく当社データベース上の実測値のため、日本の全法人に対する比率ではありません。