2026-08-23|lullaby株式会社 代表取締役 坂口 大晟

代表電話が載っていない3万社に、どう電話をかけるか
——部署直通という抜け道

アウトバウンドの議論は、たいてい「誰にかけるか」から始まります。営業AIエージェントの話題でも同じです。業種、規模、エリア、シグナル。条件の設計には時間をかけるのに、その手前にある「そもそも電話番号が取れるのか」という前提は、あまり検証されません。

当社が保有する国内企業データベース(約75万社)を集計したところ、この前提はかなり脆いことがわかりました。

代表電話が取れるのは、半分だけ

連絡先の項目別に、実際に値が入っている企業の数を数えました。

連絡手段取得できる社数全体に占める割合
代表電話番号約40万約50%
代表者氏名約52万約70%
代表メールアドレス約16万約20%
問い合わせフォーム約11万約10%

代表電話が取れるのは 約50%。裏を返せば、35万社は電話番号の欄が空のままリストに載ります。条件をどれだけ精緻に設計しても、抽出した瞬間に半分近くが架電できない状態で出てくる、ということです。

メールはさらに厳しく、代表メールが取れるのは 約20%、問い合わせフォームに至っては 約10% しかありません。「メールで一斉に送る」という施策の天井は、文面の巧拙ではなくこの数字で決まっています。

接続率やアポ率を議論する前に、母集団のうち何割に物理的に到達できるのかを出しておく。ここを飛ばすと、リストの残量を実態より多く見積もったまま計画を立てることになります。

もう一つの電話番号——部署の直通

企業の連絡先は、代表番号だけではありません。部署単位の直通番号が公開されている場合があります。当社のデータベースでは、企業マスタとは別に部署マスタを持っており、部署ごとの直通番号を突き合わせられます。

部署直通番号が取れる社数
営業約10万
総務管理約9万
研究約4万
経営企画約4万
製造工場約3万
経理約2万
営業企画・マーケティング約2万
人事約2万
購買資材約1万
システム約1万

ここで効いてくるのが、両者の重なり方です。

代表電話が取れないのに、営業部の直通番号は取れる企業が 約3万社ありました。

この3万社は、代表番号を前提にしたリストでは「電話番号なし」として落ちる層です。競合が同じ条件で抽出しても、この企業群には物理的にアプローチできません。到達経路を1本増やすだけで、母集団がまるごと3万社増える計算になります。

受付を通さない、という副次的な効果

直通番号のもう一つの意味は、取次を経由しないことです。代表番号にかけると、まず受付につながります。担当部署を伝え、用件を説明し、そこで判断されて初めて先へ進む。この一段が、アウトバウンドの接続率を押し下げている大きな要因です。

部署直通であれば、この一段がありません。営業部にかければ営業部が出ますし、経営企画にかければ経営企画が出ます。同じ架電数でも、会話が成立する確率が変わります。

ただし、部署直通には向き不向きがあります。

まず出すべき数字

アウトバウンドの設計を始めるとき、条件を詰める前に次の3つを出しておくことをおすすめします。

  1. 条件に合致する企業は何社か(母集団)
  2. そのうち代表電話が取れるのは何社か(架電できる母集団)
  3. 代表電話が取れない企業のうち、部署直通で到達できるのは何社か(上乗せできる母集団)

この3つが出ていれば、「リストが尽きた」という状態が本当に尽きたのか、それとも到達経路を1本しか使っていなかっただけなのかを切り分けられます。多くの場合、後者です。

COMPASS AI のリストは、この3つを条件ごとに集計したうえで提供しています。条件を指定すると該当件数と金額をお返しするので、リストを買う前に母集団の実態を確認できます。

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この記事は「営業リスト完全ガイド——作り方・買い方・質の見極めを75万社の実データで解説」の一部です。全体像はそちらからどうぞ。

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出典:当社保有の国内企業データベース(約75万社・企業マスタ2026年5月時点/部署マスタ2026年3月時点)を集計。調査会社による統計ではなく当社データベース上の実測値のため、日本の全法人に対する比率ではありません。